インターネットの充実で生活は一変したといわれています。
自分もネットに接続しない日はほとんどないし、銀行の送金、世界全国の買い物などはカード番号入力してクリックすれば済んでしまうし、ちょっと耳にした知らない言葉などはすぐに検索。今では分からないことがあればすぐ『検索』ですからね。昔はどうやって調べていたんだろうと思ってしまうほどです。
最近は雑誌の廃刊が相次いでいるそうです。本が売れないんです。携帯で小説が読めたり、情報はネット上にあふれているからあえて本を買わなくても、ということみたいです。
音楽CDも然り。音楽をネット配信で販売するためです。
昨日のMr.Childrenの桜井さんの対談であった話ですが、Mr.Childrenはネットでの音楽販売を未だにしていないんです。桜井さん曰く「ネット配信は寂しい。お店に行って、CDを手にしたり、選んだり、リーフレットを読んだりすることから楽しいから(大体こんなニュアンス)」と。
共感。
私もネットで音楽を買ったりはしますが、そういう音楽は確かに心に残りにくいんです。音楽自体はもちろん何ら変わらないんですけど、例えばCDを買えば、お店に行きますし、お店で他のCDを見ることもありますし、特典のポスターがもらえたり、お店の人と雑談をしたり、帰りにカフェでCDを開けて中のリーフレットを読んだり、それを聞くのを楽しみに家に帰ったり。これがそのCDに関する思い出であり、風景として心に残るんです。
最初に買ったCD覚えてますか?
僕はBOOWYです。ひばりヶ丘の駅前の今は居酒屋になってしまったレコード屋さんで買いました。その時に貰った特典のモノクロ写真の氷室京介の顔もはっきりと覚えていますし、そのCDを今でも持っています。ちゃんと覚えています。
最初にダウンロードした曲覚えてますか?
覚えてませんよ。そんなもんです。
聞かなくなった音楽はどうしていますか。
僕は最初に買ったCDを未だに持っているくらいですから相し当な枚数を保有しているわけですが、それでもやはり聞かなくなったCDは泣く泣く処分ます。それでも捨てる時は、もう一度聞いてみたり、開けて歌詞カードを読みなおしたりして、それでさよならします。
音楽配信で曲を買っている若者は、聞かなくなったら“削除”するんです。ポチッと削除すれば、それでおしまい。寂しくありませんか。
アメリカの雑誌Atlantic Monthlyの8月号に掲載された
「Is Google Making Us Stupid?」(グーグルは我々を怠け者にするのか)
という記事がありました。
ネットでの犯罪も山ほど起きていますし、誹謗中傷だったり、個人情報流出だったり、挙げたらきりがないんですが、だからといってネットが悪いものではないと思うんですよ。便利なのだから良いと思います。
ただ、便利になることで失われていくものもあるわけで。テクノロジーの進化は凄まじいですが、その陰で、それと同等かもしくはそれ以上に、大切な何かが失われていく気がしてならないんですが。