その著書『世界から猫が消えたなら』という本が大変人気があり、映画化もされるそうです。
読んでみました。
差支えない限りであらすじを書くと、余命わずかな男性の前に悪魔が現れます。
そして、「世界から何かを消す代わりに、一日だけ寿命を延ばしてあげましょう」と言います。
さてさて、といったお話です。
その中に、
『何かを得るためには、何かを失わなくてはね』、という一節があります。
『人間は何も失わずに何かを得ようとする。でも、それは奪う行為に他ならない。誰かが得ているそのときに、誰かが失っている。誰かの幸せは、誰かの不幸の上に成り立っている。』、と。
物事には表があり裏があるものです。
矯正歯科治療にも似たような一面はあります。
歯並びをきれいにする大きなメリットと引き換えに、大切なお金や時間、場合によっては歯を失う(抜歯を伴う矯正治療)こともあります。
歯並びよりもお金や時間の方が大切な方もいるでしょう。
価値観は人それぞれです。
矯正治療をする立場ではありますが、される立場の目線で物事を考えるようにしています。
治療による得られるもの、失うもの、をより明確にご説明するよう努力しています。
その上で、最後に決断するのは患者さん自身です。
患者さんの得るものと失うもののバランスが悪いと判断した場合、治療をオススメしないこともあります。
一見、消極的な医師に見えるかもしれませんね。
新聞広告クリエイティブコンテストの最優秀賞に、偶然こんなキャッチコピーを見つけました。
I'll see you again next time !!