コロナ、コロナで終始した1年がゆっくりと終わろうとしています。
毎日の感染者数の報告も数十人と減少しておりますが、果たしてどうなんでしょうか。このまま、元の生活が戻ってくれれば良いのですが、全く安心できません。
厚生労働省が運用するNDBデータというものがあります。ここには保険診療に関するあらゆるデータが収録されており、医療関係のデータとしては信頼性が高いとされております。
このデータを基に、2021年に発表された歯数とアルツハイマーの関係。
60歳以上で20~28本の歯牙を有する人を1とすると、1~9本の歯牙を有する人は1.34倍のアルツハイマー型認知症と診断されているそうです。似たようなデータは今までもありましたが、これはNDBのデータを利用して算出されていますので467万人を対象に調査されており、かなり信頼性が高いと思われます。
ここで矯正医として考えるのは、「歯が減ったらアルツハイマーになりやすくなるのに矯正治療では健康な歯を抜くんですか?」という質問に他する答え。
この答えはこうなります。
まず、矯正治療では必ずしも歯を抜くとは限りません。歯を抜かないで矯正治療をするケースもあります。また、歯を抜くケースでも、健康ではない歯がある場合はそちらを優先して抜くこともあります。
そして、歯を抜かざるを得ないような歯並びの方は必ず、ちゃんと咬めていないあるいは全く咬み合わせに関与していない(下の歯と当たってすらいない上の八重歯など)ような歯が数本あります。そのような使っていない歯、咬んでいない歯は早期にダメになります(これはちゃんとしたデータがあります)。
元々咬んでいない歯が数本あってそれが早期にダメになるというデータがあるのであれば、歯を抜いてでも、ちゃんと咬めて健康で歯磨きのしやすい状態にしてあげた方がトータルで見るとメリットは大きいという事になるわけです。
11月に入り、少しずつ色づき始めていました。