2016年9月28日水曜日

抜いていい歯と抜いていけない歯

永久歯は抜いたら生えてきません。
だから、抜くときは慎重になりますよね。
矯正治療で歯を抜く場合は基本その隙間は閉じるのが大前提になります。

では、一般歯科で歯を抜く場合はどうでしょうか?
大抵の場合は歯を抜いたら、そこに入れ歯だったりブリッジ、もしくはインプラントを入れて代わりの歯を作るでしょう。

では、乳歯の場合はどうでしょうか?
乳歯は抜いてもその下から永久歯が生えてきます。
だから別に抜いていいのでしょうか?

これは、『NO』です。

一般の歯科医院で乳歯を抜歯した一例です。

乳歯は虫歯で保存不可能と判断されて抜歯されたそうです。
保存できないのなら、歯を抜くことは止むをえません。

問題は抜いた後です。
右側の一番奥の歯は永久歯です。その前にある乳歯が抜かれているため、右奥の歯は少し前に移動してきています。抜いた乳歯の部分には今後永久歯が生えてくるわけですが、それまで1~2年はかかるでしょう。2年もあれば右奥の歯は更に前に移動してしまいます。
奥歯が前に移動すると、これから生えてくる永久歯が並ぶスペースが小さくなり、歯列不正になります。

これも同じケースです。


右側の乳歯が2本抜かれているために、奥歯が前に移動してしまっています。
それにより永久歯の並ぶスペースが小さくなってしまっています。

すぐに永久歯が生えてくるのなら抜きっぱなしでもいいでしょう。

まだ永久歯が生えてくるのに何年もかかるのに抜きっぱなしでは、抜歯して出来た隙間はどんどん小さくなってしまいます。隙間が小さくなれば永久歯は並ばなくなります。

隙間がなくなるのはアッという間ですが、隙間を作り出すのは大変な作業なんです。

もし止むを得ず乳歯を抜く場合は、是非矯正の専門の先生に相談して下さい。

そして一般歯科の先生。
抜くのであれば、きちんとその後の歯並びまでしっかり管理して下さい。

宜しくお願いします。

I'll see you again next time !