2011年9月20日火曜日

八重歯を抜く

人間の歯は真ん中から1~2本目が切歯、3本目が犬歯、4~5本目が小臼歯、6~8本目が大臼歯と名前がついています。

『犬歯』は八重歯になったときに飛び出した、あの歯です。

なぜ、1本(上下左右では計4本)だけ、他と違う名前がついているのでしょうか?

それは、『1本だけ他とは機能が違う大切な歯』であるからです。

最近、他医院で矯正治療をされて、犬歯を抜かれてしまった方の再治療を行うケースがあります。

事情により治療期間を短縮したい場合や犬歯が骨に埋まって出てこない場合など、やむを得ない場合を除いて、きちんとした矯正医は基本的に犬歯は抜きません。

例えば、7人が一列に並んでいて、3人目の人だけ列からはみ出して並んでいる場合、3人目の人だけ排除してしまえば、一番手っ取り早くきれいにできるでしょう。これが、安易に犬歯を抜いてしまう発想です。

多くの矯正医は4番目を抜いて、そこのスペースに犬歯を入れてあげる治療を行います。犬歯を抜いてしまうより、はるかにめんどくさいですよね。
でも、犬歯は大切なので、こういう治療になります。

「1年で治る歯並び」「通院不要で歯並びが治る」「超スピード矯正」「大人の矯正40万円」など、魅力的なキャッチフレーズの治療はおよそこういった治療が多いようです。

抜いた歯は二度と戻りません。
きちんとしたカウンセリング、説明を受けて、よく考えてください。

安易に「早い」「安い」では、きっと後で後悔をします。